Today's Insight

2024/4/26 13:00作成

トルコ中銀:利上げサイクルは終了へ

■ CBRTは25日の会合で主要政策金利を50.00%に据え置き、引き締め姿勢を維持した
■ CPI上昇率が70.00%超でピークに達すれば、利上げサイクルは終了し年末には利下げへ

 トルコ中銀(CBRT)は25日の金融政策決定会合で、主要政策金利を50.00%に据え置いた。2月会合では金融引き締めを一旦停止したものの、前回会合(3月)では市場予想に反して5.00%の追加利上げを決定し、昨年6月以降の利上げ幅は41.50%に達する。今会合では利上げ効果が顕在化するには時差を伴う点を踏まえて現状維持を決めたが、インフレリスクへの警戒感を残し、物価情勢が著しく持続的に悪化すれば、追加利上げに動く可能性を示唆した。3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比68.50%と2023年6月(同38.21%)を底に、教育・通信費や食品、住宅などの価格上昇を受けて足元は加速している。

CBRTは、CPI上昇率が5月に70.00%超でピークに達し、2024年後半から2025年に掛けて鈍化すると予測している。先週、カラハンCBRT総裁は引き締めサイクルが終了し、インフレ率は2024年末までに36.00%に達すると見通しており、1年にわたる利上げサイクルは終了したとの見方が広がる。足元のインフレ率は粘着性があるため、インフレ圧力は直ぐには弱まりそうになく、追加利上げ余地への思惑はくすぶる。5月3日に公表される4月CPIの伸びが大幅に加速すれば、同23日開催の次回会合で主要政策金利が引き上げられる可能性もある。ただし、CBRTの次の一手は利下げで、2024年末には45.00%へ引き下げられると市場の大勢はみている。トルコリラは史上最安値を付けた後に安値圏でこう着しているが、実質金利がプラス圏に戻れば、徐々に底入れ感を強めていくのではないか。

投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
二宮 圭子

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